vol.5 協愛福祉会「横山和明さん」

「教えて!園長」とは、私たちが素敵だと思う園長先生にインタビューをさせていただき、園の取組みを紹介する企画です。

本日は、社会福祉法人 協愛福祉会 横山さんにお話を伺いました。
(インタビュアー:宮野)

 

横山さん、本日はよろしくお願いいたします。

よろしくお願いいたします。

 

まず、保育理念と保育方針について聞かせてください。

 

 

保育理念は「Happy+Natural  Happy+Challenge」というのが大きくあります。

実は、保育理念を7年前に変更しました。従来の保育理念だと、文言が難しく覚えづらいのではないかと思っていました。

理念とは、道だと考えていて、法人の道として、職員が迷わず進んでいけるように、当時の保護者と職員に園に対する「らしさ」についてのアンケートを実施したところ、”自然体を大切にしている”という言葉が多く聞かれました。

理念として確立されてない中でも、我々が進んでいた道はそこだったのだな、と気づいてまず”ナチュラル”と掲げました。そして、チャレンジすることは大切にしたいという想いもあって、Challenge。そこに、常に幸せで楽しむや面白く、の意味でHappyを付け加えて、「Happy+Natural  Happy+Challenge」という法人理念を掲げました。

この理念で法人としてのスタイルが生まれてくると考えています。職員が迷わずにそのスタイルを追求できるように、覚えやすく、わかりやすい言葉を使いました。

 

わかりやすいほど共通認識として浸透しそうですね。それぞれの頭にHappyを置いているのはどんな理由ですか?

 

環境が保育に影響を与え、結果的には子どもに影響を与えかねないと思っています。そのためには自分たちが楽しみ、ワクワクするような場所であるべきだと考えていて、なんでも楽しく自然体で、楽しく挑戦していこう、ということでHappyに拘りました。

楽しんでいる姿って周りにも伝染しますよね。

 

その通りですね。なので、園を見学にくる学生や保護者にも、まず職員の表情を見てくださいと伝えています。当然、建物によっても保育環境は変わってきますが、それよりも中で働く人が重要で、働く人の顔をみればどんな保育環境か見えてくると思っています。やはり、良い保育環境には笑顔が溢れていると感じています。

まずは人を、表情を見てくれと言われて、働いている保育士さんも嬉しいのではないでしょうか。

 

そうですね。だからこそプレッシャーにもなっているかもしれませんね。ただ仕事をしているだけではなく、自分が楽しいと思う環境、自分が楽しめているかを考えながら、自ら環境づくりをすることが重要だ、と職員は感じていると思います。それを整備しながら導いて行くのが、私の仕事だと考えています。

 

世の中にいろんな保育理念がありますが、それを実現するのは働く人です。だから人が大事。子どもの未来のために何ができるのかをチームとして考える組織でありたいですね。

 

保育方針について大切にしていることや工夫していることを教えてください。

 

 

子どもの主体性を大切にしています。では、子どもの主体性とは?と考えたときに、わかりづらい、どう保育をしていくのかと職員が困惑している場面を多く見ます。

例えば、右向け右のような職員主導は、右を向いてもらうにはどうするか?を指導するのでわかりやすいですが、「どちらでもいいよ」という指導には難しさを感じるのだと思います。

その為に、我々は、これまで行ってきた主体性を大切にする、という曖昧なものを取りまとめて精査し直し、子どもの主体性に関する4本柱という指標を作りました。

 

1つ目が<プロジェクト教育>

2つ目が<自由選択保育>

3つ目が<アート>

4つ目が<外遊びと散歩の充実>

 

ここは、理念と同じ考えなのですが、方針であって答えはないと思っています。自らが噛み砕きながら、探求することが重要だと考えています。

 

答えを探求することに意味があるのですね。どのような背景があって、そう考えるようになったのですか?

 

私には、プロジェクト保育の最終的な目的ってなんだろう?継続的な保育の最終形態はどこなのか?と疑問がありました。そんな時に、スウェーデンを訪問する機会があり、そこで「プロジェクト保育の最終形態は、持続可能な社会の実現である。例えば、自然破壊とか、貧困問題とか、戦争をなくそうとかそういう話なのです」と聞かされてとても衝撃を受けました。

 

例えば、食育についても、単純に作って食べるという意味合いだけではなく、その先には、貧困で食べられない人もいたり、環境破壊があったりなど、その先にあることを探求して伝えることが大事なのだと気づけました。

この経験から、あらゆる物を実現していくには、もっと深く探求することが必要だなと強く感じたのがきっかけです。そして、今は単発的な保育の継続ではなく、子供達の未来を考えた時にどうするのか?という、先に結びつけて行くような教育を行うことが目標です。

 

そのようなきっかけがあったのですね。2つ目の自由選択保育についても教えてください。

 

選択保育は、テーマを決めて、そのテーマに沿って子どもが、いくつかの選択をしてから好きに選ぶという方法です。その選択肢に、外遊びで集団活動や個別活動が行えるものを用意しています。

効果として感じられていることは、子どもたちが「昨日みんなでこれやって楽しかったから、○○くんも今日一緒にやろうよ」と子ども同士での呼びかけが生まれ、繋がりが生まれてきました。

元々は、年齢ごとにクラス分けを行っていたのですが、ある日、保護者から「異年齢交流はどのように行っているのですか?」と質問を受けました。当時園長だった私はその時、「カリキュラムで対応しています。」としか答えることができず、それが自分の中でとてもショックでした。

そこで縦割り保育を一から勉強し、年齢別保育から縦割り保育を始めました。

5,6年経過し始めは良かったのですが、なかなか異年齢の自然な交流が生まれず、同年齢の子同士で遊ぶことが多くなってきました。

その課題を解決しようと考えた時、選択制保育という考えが生まれてきました。自分たちがしたいことに関して、選択して、集中して遊ぶ。このことが、自然な異年齢交流を増やすことに繋がって行きました。

保育は何が正解かはわからないところも多いので、常識に囚われずに疑問を持つようにし、あらゆるものにチャレンジしては、取捨選択を繰り返してきたことで、自信がついてきたように感じます。

 

職場環境作りで工夫していることを教えてください。

 

 

この業界は、まだまだ職場環境に改善の余地があると思っており、そこを適正化して行こうと考えています。まずはしっかりと「安心の土台」を構築して、「守られる環境」にして行きたいと考えています。

そこで、まずは有休消化を当たり前に取得できるようにし、消化率は100%になりました。また、定時に帰るように業務改善も行いました。

業務負担を減らす為に、季節ごとに作り変える壁面飾りなどをなくしました。

苦労して作った割には、風景の飾りになっているだけでしたので。その代替として、子どもたちと行える「アート展」というものを開いて、見ない飾りではなく、子どもも保護者も見るような仕組みに変えて、年齢ごとの成長を共有する仕組みに変え、効果のあるような施策にしました。

有給休暇を消化できるようにする為に、シンプルですが職員配置を増やしました。労務管理については、地方より首都圏の方がシビアに運営されていると感じていて、よい情報を、積極的に取り入れて優先的に改善を行っています。それでも、もっともっとシビアに見ていかないといけないなと思っています。

また、組織改革として、権限委譲も積極的に行っています。信頼して任せることにチャレンジしています。そうすると、職員自身も、定時に帰るためにはどうしたらいい?と考えるようになり、モチベーション向上にもなっているように感じます。発展している最中ですね。

 

情報共有の面で、工夫していることなどはありますか?

【伝わるように伝える】というテーマで、毎月主任会という幹部会をやっています。お互いの情報を吸い尽くすというのを念頭にしています。「計画→報告→共有する」+「想いを伝える」という仕組みにしています。

想いが伝わるように報告してもらう、伝えるのは簡単ですが、伝わるようにする為に、自分の中でしっかり消化してもらい、落とし込みまで完了させるようにしています。そこまでやってやっと、組織の形になって行くと思っています。

あ、あと各園の忘年会は可能な限り参加するようにしています(笑)

主任会の運営は基本的に任せるようにしているのですが、「こんなことに困っています!」や、「どう指導すれば良いですか?」など、当然課題も出てきます。その対応については、SNSの利用をしたり、私自身が園に足を運ぶようにしたりしています。任せる以上は、フォローアップを大切にしています。

 

その他には、会議のやり方を変えました。以前は反省会や情報共有を月一回ほど行っていたのですが、現在は、各園、週一回のミーティングを定例化しました。そこでは見える化を大切にしています。ドキュメンテーションを活用し、子どもの活動の振り返りや自分たちの取り組みが仲間に見えるよう共有し、次の1週間の取り組み、その後の計画までを共有しています。具体的に見える化をして行くと、「うちもこれする!」「こうしたらどう?」など相互作用が出てくるようになったと実感しています。

 

園全体としての視点が出来、お互いの認識のすり合わせも密に行えてきており、コミュニケーションエラーは少なくなってきましたね。1+1=3以上になってきていると思います。

 

園長によって、園は本当に変わるのだなと感じています。園長は、保育観や想いが伝わるような話をしていかなければならないし、知識量を増やして、何を話すと伝わるのか、何を話さないと伝わらないのかを考えていかなければなりません。あらゆる情報や指針を自分で噛み砕いて、咀嚼して伝えて行くことが園長の大事な仕事の1つだと思っています。

 

そしてまだまだポテンシャルを秘めている職員が多くいると思っています。そういった職員が、積極的にチャレンジできる土台を提供することが重要だと思います。そこをもっとサポートしていきたいなと考えています。

 

本日は貴重なお話を聴かせていただき、ありがとうございました。

 

こちらこそ、ありがとうございました。

 

園情報
社会福祉法人 協愛福祉会
宮崎県宮崎市佐土原町下田島19422-11
横山 和明先生

<職員の声>

https://kyoai-recruit.jp/voice/

職員アンケートはこちら

最新情報をチェックいただけます。